それが株式市場に売り圧力を加え、株価が下がり、投信の運用結果も悪くなり、それでまた解約が増えるという悪循環が起こることすらありうるのです。
預金や保険に関しては、「リスクを自覚することなく、財産形成を銀行や保険会社に一任している」として非難するファイナンシャル・プランナーが少なくありません。
しかし、投資信託だって「投信会社に財産形成を一任している」ことに変わりないのです。
たしかに、中には素晴らしい投資信託はありますそれは事実です。
尊敬に値するファンド・マネジャーたちも少なくありません。
しかし、米投資信託大手のBクループを創設したJ・C・B氏が、成功する株式ファンドを保有できる確率は100分の1以下である」と述べているように、圧倒的な少数派であることも、また事実なのです。
個人投資家にとっての問題は、その素晴らしい投資信託をコストや時間をかけずにどう選べばよいのかということなのです。
選択するためにかかるコストや時間はバカにならず、ひどいファンドを選んでしまうリスクも結構高いということを忘れてはなりません。
米フェデラルフィアの著名な資産運用会社のパートーナーであるテッドーアロンソン氏は、「ファンドマネージャーに運ではなく技術があると統計的に証明するには、運用成績をモニターするために、20年から800年かかります。
あるファンドマネージャーが単に運がいいというだけではないと95パーセント確実に判断するためには、1000年ほどかかるでしょう。
技術があるということを75パーセントの確率で言うためにでさえ、運用成績を16年から25年にわたってモニターする必要があるのです」と指摘しているのですから、統計的事実を直視すべきだと思います。
また、リスク分散を狙ってファンドの数を増やしたとしても、それに見合ったリスク分散効果がもたらされるわけではありません。
それに加えて、管理コストと手数料負担が確実に増えていきます。
往々にして投資家全体として支払っている手数料総額は、資産増加額の合計を上回っているものです。
だとすれば、個人投資家ができる投資手法は2つ。
コストをかけて素晴らしい投資信託を見つける投信を買わずに個別株式を買うのうち、いずれかということになります。
本当は、パフォーマンスも、投資哲学も、管理面も素晴らしい投信をいくつかお勧めしたいところなのですが、とりあえずこの本では、個別株式を買うほうを推奨したいと思います。
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